大腸カメラの検査について
大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)は、肛門から内視鏡を挿入して、直腸から盲腸までの大腸の内部を観察するものです。大腸は長く曲がりくねっているため、大腸カメラは胃カメラに比較し、スコープのチューブを柔らかくしたり硬くしたりできるなど、スムーズに、なるべく苦痛が少なく検査ができるように工夫されています。また胃カメラ同様に、鎮静剤を使用して眠っている間に検査を行うことも可能です。
日本では大腸がんが増加傾向にあり、2021年ではがんで亡くなられた方のうち2番目に多くなっています。初期の大腸がんは、内視鏡手術で切除できる可能性が高く、早期発見により治癒する見込みも高くなります。アメリカでは大腸カメラを受ける方が多く、大腸がんで亡くなる方が減少傾向にあります。頻繁に検査を受ける必要はありませんが、40歳になったら3年~5年に1回は受けることをおすすめします。
当院の特長
大腸内視鏡検査は肛門から大腸の1番奥である盲腸まで到達してから、抜去時に詳細な観察を行います。そのため抜去時間を短縮すると検査の質が悪くなるため6分以上かけることが重要と言われています。当院では観察時間は8~9分(処置を行わなかった場合)かけています。大腸内視鏡検査は食事制限や下剤の内服が必要で検査を行う前の準備が患者さんにとって負担が大きい検査です。せっかく準備をしっかりしてもらったのであれば1件1件しっかりと時間をかけて内視鏡検査をすることで精度の高い検査を行うようにこころがけています。
大腸カメラの検査はこんな方におすすめ
- 便潜血反応で「陽性」との診断を受けた
- 血便がみられる
- 40代以降で大腸カメラの検査を受けたことがない
- 腹痛、腹部膨満感がある
- 貧血を指摘されている
- よく顔色が悪いと言われる
- 急激な体重減少があった
- 大腸ポリープや大腸癌を治療した経験がある
- 家族に大腸がんになった人がいる
大腸カメラで確認が可能な病気
- 感染性大腸炎
- 潰瘍性大腸炎
- クローン病
- 虚血性腸炎
- 腸結核
- 大腸憩室
- 大腸ポリープ
- 大腸癌
- 痔核
検査前の注意点
検査前日まで
- 検査予約した際に詳細な食事の説明を行います。
- 希望がある方は前日用の検査食を購入していただくこともできます。
- 睡眠前に下剤を服用してください。
検査当日
- 食事はとらずにお越しください。水は適宜摂取いただいてかまいません。
- 検査の3~5時間前を目安に、前処置用の下剤を飲み始めてください。
- 自動車やバイク、自転車などを自分で運転してのご来院はお控えください。
検査の流れ
大腸をきれいにするため、下剤を飲んでいただきます。当院では個室の前処置室を準備しております。
準備ができたら、検査衣に着替え、検査台に横になっていただきます。鎮静剤はこの段階で投与します。
はじめは身体の左側を下にしてベッドに横になっていただき、肛門から内視鏡を挿入していきます。必要があれば組織を採取し、炎症やポリープ、腫瘍などが見つかった際は適宜処置を行います。
通常は10-15分で検査は終了します。鎮静剤を使用した場合は、約1時間ベッドで休んでいただいてから結果の説明をいたします。
検査後の注意点
- 通常は検査から1時間経過すれば飲食が可能です。
- ポリープを切除した方は当日の長湯は避け、シャワー程度にとどめてください。強い運動も1週間程度は行わないようにしましょう。
- アルコールやコーヒーなどの刺激物も当日は摂取を避けてください。